「牧の契約更改がされたわね!」
結乃が元気よく声を張り上げる。
「凄いね、一気に7000万だって!」
理衣も拍手している。
残念ながら新人王は獲得ならなかった。
それでも年俸では圧倒的だった。
「新人王はまあ、栗林だと思っていたけれど」
「ファンでも?」
「新人王がリーグから一人という時点で、まあそれは栗林で文句ないわ。牧の成績だけ見ると残念なのは変わらないけれど」
「あんな成績出せる新人さん、いないよね」
だけど、牧には新人王ではなく、今後、長く活躍してもらうことこそを望む。
「その結果を受けての契約更改、新人王の発表を待っていたわよね、確実に」
「契約更改に反映する予定だったのかな?」
「新人王をとれてもとれなくても金額は変わらなかった気がするわ。新人王とれたらボーナスがあったとかかも」
「その辺はわからないね」
「ただ、球団が出した金額は素晴らしいわ! 牧が新人王をとれなくても、この金額だけの評価をしていると世間にしらしめたわけで」
「本当に凄いよね!」
おそらく栗林の金額を意識したとかではないだろう。
むしろ、菅野、松坂、といったところの金額を意識しての金額ではないだろうか。
「DeNAは結構、評価が甘い気がしなくもないけれど、こういう評価はどんどんやって欲しいわね!」
「選手もやる気がでるよね」
「ちゃんと評価されている、ってね」
「でも、新人王をとった山崎投手、東投手より上の金額とはね」
正直、その辺ではないかと思っていたが、栗林より上回る金額を出してくるのでは? とも思っていた。
なので5000万台後半くらいとかせこいことを考えていたが、球団はそれを遥かに上回ってくれた。
「球界が新人王をくれなくても、うちはそれ以上の評価だぜ、ってね」
「それはさっきも言ったような・・・」
「何回でもいいのよ! 打者で一年間、140試合近く出場し続けて、しかもセカンドをメインで、これだけの数字を残したんだから!」
山田哲人がいるためベストナインも獲得できなかったが、ベイスターズファンからしてみれば、誰よりも評価したいのが牧なのだ。
「ということで、新人王は獲得できなかったけれど満足よ!」
「不思議なもんだね」
来季の活躍も期待しているぞ!
ベテランルーキー!