「藤田のベイスターズ愛よ!」
結乃が声を張る。
「どどどどうしたの?」
驚きながら結乃が問う。
DeNA藤田一也の「横浜愛」スターズに始まりベイスターズで終える覚悟
「記事タイトルは、「横浜愛」だけどね」
「細かいこと突っ込まないの! でも、あの暗黒期にそれだけ思ってくれていたのは嬉しいわよね」
「インタビューを見ると、やっぱり大事なのは「人」なんだね」
「そりゃそうでしょう、結局は、「誰」のために戦いたいか、というのが大きいからね」
人間は心のある生き物である。
- この人のために戦いたい。
- この人がいるからそのチームで戦いたい。
そういう思いは必ずある。
「もちろん、プロなんだから最も条件の良い球団でこそやる気が出る、っていうのも正しいけれどね」
「それでも藤田選手のように言ってくれると嬉しいよね」
そういう選手の方が、おそらくチームのために骨身を惜しまず頑張ってくれる気がする。
それは、後輩への指導とか、周囲への影響も含めて。
「森や牧へのアドバイスについてとかも語っているしね」
「石井コーチに藤田さん、この二人に教えてもらえるのはありがたいよね!」
「その石井も藤田も、守備で影響を受けて教えてもらったのが編成部長の進藤。その進藤が二人を集めてきたと思うとなんとも言えない感じね」
「守備の大切さをわかっているんだね!」
石井の守備は、動体視力と反射神経、そして努力で築いてきたもののように感じた。
対する進藤の守備は、天性のグラブさばきと守備に対する感覚があったように感じた。
素人目線だけど。
40歳を迎える来季、どこまでできるのかわからない部分はある。
それでも、守備だけ見ても今の横浜内野陣を相手になら負けることもないと思う。
「あたしも藤田のユニフォーム、注文したからね! 楽しみよ!」
「沢山、一軍で活躍して、そして若い選手を引っ張っていってほしいね!」
そして少しでも長く、横浜で野球をやってくれ!