「さあ、オープン戦が始まったわよ!」
勢いよく結乃が言う。
「いよいよ本番に向けてあとちょっと、っていう感じだね!」
理衣の言葉にも力がこもっている。
そのオープン戦初戦は新庄ビッグボスの日ハムと。
しかし、肝心のBBはベンチ外だという。
「まあ、その辺は気にしないで、あくまで自分のチームのことをね」
「そうそう、結果は快勝でした!」
「なんといっても牧! タイムリー2本って、本当にこの子は!」
「全然心配いらなさそう?」
もちろん、シーズン始まってからではないと分からないが、不安を感じさせない実戦である。
「そしてソトが2打席連続HR!」
「昨年の悔しさから、今年は最初から飛ばします!」
「しかもコメントが、「石井コーチと一緒に取り組んできたことが打席で出すことができました」だからね、たまらんわ!」
「右方向のホームランというのもいいよね!」
今シーズン、石井がいるからソトも不調になっても修正がききそう。
少なくとも2021年のような不本意なシーズンにはならなさそうな気がする。
「若手では森が3安打!」
「盗塁も決めてアピールだね」
「守備はまだまだでしょうから、打撃と足でアピールしないとね」
「他に宮崎選手もタイムリーを放ったしね」
伊藤光や戸柱もヒットを放った。
もちろんまだ1試合、この試合でノーヒットやみせられなかった選手も、今後の試合に期待。
「投手陣も完封リレーね!」
「先発の石田投手、2番手の東投手も危なげなく、だね」
「ルーキーの二人も1イニングだけど無難に抑えてデビューと」
「この試合に関しては文句ない感じだね!」
とはいえ、後半のチャンスに2併殺。
致し方ないとはいえ、この辺はもったいなかった。
「それでもスタートしては良かったし。相手が監督不在を置いておいてもね」
「でも今日の試合を見ると、牧・森コンビの二遊間とか魅力だよね!」
「お互いに若いしね」
「とはいえ、他の選手も負けていられません!」
まだオープン戦は始まったばかりではあるが、練習試合などからのサバイバルは続いている。
「さあ、次はどんな試合を見せてくれるか楽しみね!」
「誰が出るかな!」
結果だけでなく、内容もね!