「ウェンデルケンもリハビリ組ってどういうことよ！」
結乃が憤慨して言う。
「順調にきていたのにねぇ」
理衣が項垂れて言う。
ここにきてまた一人怪我人が。
ウェンデルケンが急性腰痛でリハビリ組とのこと。
「急性腰痛ってことはぎっくり腰ってこと？」
「そういうこと、なのかな？」
「となるとちゃんと動けるようになるのに時間がかかって、そこからまた調整で時間がかかるわよね」
「程度にもよるけれど開幕は難しいかな？」
オープン戦では三者三振をとるなど順調にきていた。
うまくハマれば勝ちパターンを含むところで投げられて中継ぎ陣の厚みが増すと思ったのだが。
「もう、こんなんばっかじゃない！」
「ま、まあ、開幕前で良かったということで」
「それも聞き飽きたわー」
「アクシデントは全員で乗り越えるしかない！」
ウェンデルケンが間に合わないが、三嶋が思ったより復調してこのままなら開幕から戦力になりそうなのでなんとかなるかどうか。
「中継ぎもなんだかんだで減って、結局は康晃、エスコバー、伊勢、三嶋、そして入江というところになりそうね」
「本当はここにウェンデルケン投手、そして左の健二朗さんがいるはずだったんだけどね」
「そこが不在になって、となるとあとは森原は入るかしら？ あとは・・・石川、橋本、宮國、とか？」
「その辺かなぁ。平田投手はまだ出てきてないね」
とりあえず中継ぎも新戦力が欲しいので、森原、石川、橋本、には頑張ってもらいたい。
「しばらく凌いで、疲れた頃に健二朗やウェンデルケンが戻ってくるとよいけれどね」
「そうそう、そういう風に考えて。もしかしたら他の選手が大活躍するかもだし」
「ホント、そういうのを期待したいわ！」
「だから、焦らずに治しましょう！」
なってしまったものは仕方ない。
もう、いないものとして考えましょう。
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