「試合中止の判断が遅い!」
結乃が怒った顔で言う。
「確かに、最初は開始時間を遅らせて、その後は開始時間未定で、みたいな感じだったよね」
理衣も困ったように言う。
雨雲レーダーを見る限り、しばらくは強い雨が降る予報。
雨雲が抜けるのは20時とか21時頃だったように見えたし、それもずっと抜けているかどうかも分からない。
誰もが、「今日は中止」と思っていたのに、いったい誰があそこまで判断を伸ばしたのか。
「まー、中止の試合も増え、今後のことを考えて開催したい気持ちはわかるけれど、さすがにこの日は無理でしょ!」
「無理に開催しても怪我の危険も増えるしね」
「ヤクルトの出場選手が二軍クラスが多いからやりたい? いやいや、その相手でも坂本が抑えられるイメージわかないし、むしろ中止で良かったんじゃない?」
「またそうやって坂本投手をディスるんだから・・・」
しかしヤクルトとしてはコロナで大量離脱者がでたあとで2試合目の雨天中止。
これは恵みの雨ではなかろうか。
「まー横浜も中継ぎ陣が疲労困憊だったから、そういう意味で恵みかもしれないけれどね」
「10試合の中止はきついけれどね」
「そこはまあ、仕方ない!」
「今、そこを考えても仕方ないもんね。まずはオールスターまで頑張らないと」
そして雨天中止となれば、パフォーマンスがつきものだが・・・
「知野! まさか開幕戦エラーの自虐パフォーマンスをやるとは・・・」
「知野選手も吹っ切れたのかもしれないね」
「まあ、この日の雨で全て流そうということもあるでしょう」
「失敗は誰にでもあるからね、それを糧に這い上がって欲しいね!」
さて、気を取り直してヤクルト戦。
今永で勝利しておきたいところ。
「課題は、打線が点をとれるかね」
「相手は原投手だね」
「序盤から主導権を握れるように!」
苦手の週末だけど、勝ちましょう!