2022年振り返り #39 さらばにぃに。日本シリーズでまた会いましょう 嶺井博希
「FAでソフトバンクに移籍の嶺井ね」
結乃が死妙な顔をして言う。
「寂しいね」
理衣も肩を落とす。
移籍はしてしまうが、一応、振り返ってみる。
#39 嶺井博希
出場試合 : 93
打数 : 244
打率 :.205
出塁率 :.237
安打数 : 50
HR : 5
打点 : 30
得点 : 15
盗塁 : 0
OPS :.532
「ぶっちゃけ、打撃関連の指標はたいしたことないのよね」
「シーズン序盤は結構、調子よい感じだったけれどね」
「どんどん落ちていった感じね」
「やっぱり捕手はハードだから、かな」
「まあ、今更点数を付けても仕方ないのでつけないけれど、リード面では頑張ってくれたわよね」
「一番、出場試合数が多いのが、頼りにされていた証拠だよね」
「他の捕手と違うリードで、相手の意表をつく感じでね」
「だからこそ、捕手のすみわけもできていたんだけどね」
絶対的な捕手というわけではないけれど、毛色の違う捕手という意味でいなくなる影響はあるだろう。
マスクをかぶった試合が落ち着いていた、というのもある。
「とはいえFAは選手の権利だし、地元に近くなって、強いチームから求められてっていうのもあるしね」
「評価されていたもんね」
「同じ額を出せるかと言えば、出せないでしょうしね」
「応援するしかないね」
リーグも違うし、ファンからも変な声はあまり聞こえてこない。
「ソフトバンクには甲斐もいるわけだし、2番手争いになるんだけどね」
「でも、正捕手をとるくらいの気持ちでいってほしいね」
「こっちとしては交流戦、そして日本シリーズで闘いましょう、って感じね」
「そうなると良いね!」
良いキャラクターでもあっただけにいなくなるのは寂しいが、自分自身で決めたこと。
新天地でも頑張ってくれ。