「宜野湾と奄美の入れ替え選手が発表になったわね」
結乃が神妙な口ぶりで言う。
「分かっていたことだけれど、なんともコメントしづらい!」
理衣が体を震わせて言う。
さて、実際の入れ替えは以下のメンバーとなった。
■宜野湾合流組:大和、宮崎、田中健二郎、三嶋、宮國
■奄美合流組:桑原、楠本、田中俊太、坂本、銀二、宮城
「昇格組は前々から分かっていたメンバーね」
「奄美でじっくり調整していたベテラン組が満を持して、って感じだね」
「特に三嶋は難病からの復活を期す中で、思いのほか早く、順調にきているわね」
「これは嬉しいことだね!」
もちろん、ブルペンで投げるのと実戦で投げるのとでは違う。
同じ球速が出ても、回転とかキレとか異なればただの棒球ともなりえるわけで、まだまだ見てみなければ分からない。
「それでも、一軍に合流しても問題ないと判断されたのは間違いないわけだからね」
「ここから更なる復活劇を見せてほしいね!」
大和、宮崎に関しては、コンディションさえ良ければやってくれるだろう。
健二朗も、昨季は良いところを見せてくれたので今季も期待したい。
宮國は背水の立場は変わらないだろうが・・・
「一方で奄美に合流するメンバーは、納得のメンバーと意外のメンバーね」
「桑原選手と楠本選手が奄美に?」
「まあ、もう一軍の練習で見なくても良いって判断かもね。もともと一軍は外野が多く、二軍は梶原、村川、大橋の3人だけだったからね」
「そういう意味では、一軍の外野はこれからが本格的なサバイバルというわけだね」
守備で欠かせない桑原、打撃好調でアピールした楠本は、もうよいということだろう。
一軍に残しておいても実戦機会が少なくなるから、外野の少ない二軍に合流して実戦に出て感が衰えないようにしろということ。
一方で一軍は大田、アンバギーを含め、関根、神里、蛯名、勝又、ここらがどうなるか。
「俊太もまあ、致し方ないところね。打撃はともかく、守備力的に京田、柴田より落ちるし、林はまだ見てみたいし」
「そして投手の3人」
「実戦で結果を出せなかったからねぇ、仕方ないところね」
「まあ、誰かを落とさないといけないわけだもんね」
「しかし、奄美からは若手が推薦されないのも悲しいけれどね」
「そ、それはまたこれからおいおいと・・・」
投手にしても野手にしても、2021,2022のドラフトメンバーで誰か戦力になって欲しいものなのだが・・・
「とりあえず吉野、橋本はまだ様子見もあって残っているけれど、ここからだからね」
「まずは残りの練習試合、そしてオープン戦の序盤までのアピールだね」
「誰か意外な選手出てこい!」
「待っています!」
まだまだ、落としてもよさそうな選手は沢山いる気もしますが、上げられる選手もいないのでしょうね。
やはり若手の底上げが不足していると感じますね。