「オープン戦の初戦に勝利よ!」
結乃が力を込めて言う。
「今季、対外試合初勝利です!」
理衣も拍手する。
連敗で終えた対外試合。
敗戦だけならともかく、投も打も元気がないことが心配された。
しかしオープン戦の初戦では、まず打線が気を吐いた。
「12安打で7得点と、ちゃんと打てたわね」
「それも、打つべき人が打って、って感じだね」
「まずは初回、1番に入った京田、2番の大田が連打して、佐野がきっちり犠牲フライと」
「京田選手は1安打1四球と、アピールしてみせたね」
「守備でも好プレーしたしね」
初回にさくっと先制してみせた。
「逆転されたあとの3回には、ソトが逆転3ラン!」
「あげてきましたね。ソト選手、打撃が衰えてきたとかいわれているけれど、それを覆してほしいね」
「この回に一挙5点と、調整中とはいえ相手の主力、柳を打ってというところも大きいわね」
「これからもっとあげていきましょう!」
打線は佐野、ソト、宮崎というところがきっちりヒットを放ち、宮崎と蛯名はマルチ。
途中出場の森もタイムリーに盗塁とみせた。
「一方で投手、先発した濱口は、濱口らしい感じね」
「四球が多かったね」
「最後のピンチも、京田のファインプレーで併殺になったからね」
「でもまあ、まだまだこれからです!」
この試合では山崎、エスコバーといった主力も登板。
エス子バーはエラーもあったが打たれていたので、ここから調整を進めてほしい。
「そして小園が2イニング無失点と好投したわね」
「うーん、楽しみだね」
「成長が物足りないとか外野から言われることもあるけれど、ドラ1とはいえ高卒、即戦力でもなし、時間をかけても育ってくれればいいわよ」
「まだまだこれからの選手だし、どんどん場数を増やして、投げていってほしいね」
ルーキーの林は4打数無安打、エラーもあって残念だったけれど、好守もあったみたいだしまだこの先でチャンスはあるはず。
「ということで勝利を刻んだのは良かったわね」
「主力が揃えば力はあるから、やっぱり控え層の押し上げだね」
「勝又や関根もヒットを打ってアピールはしていたし、ね」
そしてWBCでは今永が好投、牧も安打と結果を出していた。
双方で頑張って欲しいですね。