「相川の入閣も正式決定したわね！」
結乃が声を張り上げる。
「間違いないとは思っていたけれど、正式に決まって良かったね！」
理衣の声も弾んでいる。
ポジションは未定とあるが、バッテリーコーチ以外にはないだろう。
「ここまで来てまだ全体のポジションの正式発表がないってことは、まだ誰か調整中とかあるのかしら？」
「でも、他には噂になっている人はいないよね」
「あとはやはり、内野守備走塁or外野守備走塁だけど」
「誰かいるかなぁ？」
９８年メンバーではいないだろう。
内野守備走塁は石井が見ることもできるし、噂になっている藤田が戻ってくるならその辺を見てもらうこともできるかもしれない。
外野守備走塁は、金城が巨人で無理なので、多村とかは駄目なのだろうか。
「まー、これで打ち止めだとしても、走塁改革は石井に見てもらえる部分もあるしね」
「他にも、小谷さんが戻ってきてくれたしね！」
「年齢的、体調的なことを考慮してコーチングアドバイザーってのはいいわね！ 三浦や隆も師事したわけだし、素直に受けられるでしょ」
「コーチの方たちにとっても心強い人選だよね！」
様々な招聘に、DeNAフロント陣の本気を感じる。
と、同時に、やはり三浦が監督だからこそ実現したのかも、という思いもある。
これが、他の９８年戦士が監督だったとして、ここまで集まることが出来ただろうか。
逆に言えば、三浦が一人、最後まで横浜に残ってチームを支え続ける姿を見せたからこそ、彼らもコーチとして戻ってきてくれたのではないか。
ファンとしては、そんな風に考えたくなる。
「三浦が頑張ってきたことは無駄ではなかったのよ！」
「胸アツの展開だよね！」
「まあ、それで勝てるかどうかは別問題だけどね！」
「またそんなシビアなことを・・・」
「コーチが変わっても一年目は意識改革とか、根付かせることに時間がかかるかもしれないからね」
「なんとか結果を出したい！」
それでも前向きに考えれば、人として、社会人としてから意識を変える必要のあったDeNA初年度より遥かにマシではないだろうか。
選手層も、１０年前に比べれば遥かに充実している。
意識の変化、ちょっとした指導、動機付けで、大きく変わる可能性は十分にある。
「相川、三浦にお世話になったんだから、恩を返しなさいよ！」
「かつてのバッテリー復活、楽しみだね！」
応援クリックしていただけると幸いです。
