「さてオフシーズン、気になるのは選手の動向よね」
結乃が腕を組んで言う。
「いや本当に！」
理衣が意気込む。
特にバウアー、今永、この二人がどうなるのか。
「バウアーはメジャー復帰もしくはＮＰＢの他球団への移籍。今永はポスティングでのメジャー挑戦ね」
「選手を縛り付けることはできないけれど、残って欲しいね！」
「先発３本柱の２人が抜けると、勝ち負けもそうだけど、何よりイニング数がね」
「完投能力のある二人だったもんね」
それだけ他の選手で投げなければならないわけで。
他の先発投手が出てきても二人以上に投げられるとは思えないから、中継ぎの負担がそれだけ増えることになる。
「三浦も残って欲しいって言っているしね」
「その二人に限らず、石田投手や戸柱選手、柴田選手もね」
「ＦＡは選手の権利だから、って言っていたこともあったけれど、さすがにこれだけ抜けられるとキツイでしょうからね」
「若手へ切り替えのチャンス、といったも、現実的に一気にこれだけいなくなっちゃうとねぇ」
果たしてどうなるかは分からないが。
「戸柱に関しては、山本はまだ１年間の実績がないし、伊藤も怪我がちだからいてくれないと困るって、それは事実なんだけど」
「残ってくれたら本当にありがたいよね！」
「でもそれって、第三捕手としていてくれたらありがたいってことでしょ。その扱いで戸柱が良いと残るかどうかよね」
「う、うーん、それは・・・」
「もちろん、実力があればそんなことはない、正捕手を実力で取ればいいとも言うけれど、今シーズンの後半を見ればチームとしての方向性は、ねえ」
「まあ、将来のことを考えても切り替えていきたいところではあるけれどね」
もちろん戸柱だってまだそこまで老け込む年齢ではないが。
山本が頭角をあらわし、松尾も控えているとなると、チームとしての扱いも分かってくるというものだろう。
「各選手が何を大事にするかよね」
「まー結局そうなるよね」
それは人それぞれ。
ただ、それをくみ取って、横浜として出来ることはしてほしい。
そのうえで移籍するのならば、頑張ってというしかあるまい。
「まー、バウアーよね。スターマンに頑張ってもらうしかないわね」
「外国人選手のハートも射止めて！」
さて。
我々は待つしかないですけどね。
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