2024年6月9日 ソフトバンク戦
結果：横浜８－５ソフトバンク
敢闘選手賞：石田裕太郎、牧、筒香
「おー、まさか本当に石田裕太郎でソフトバンクに勝利するなんてね！」
結乃が驚きながら言う。
「プロ初登板初先発で初勝利、おめでとうございます！」
理衣が拍手して喜ぶ。
チーム状況はかなり悪い。
４連敗中で打線は点が取れず、２戦目は抑えの森原が打たれて敗戦。
そんな状況で初先発となったが、見事に５回１失点で勝利。
「この日は守りも石田を盛り立てたわね」
「筒香選手に牧選手、ＨＲを打った二人が好守で助けました！」
「ルーキーをみんなで盛り立てようっていう感じも出ていたわよね」
「昨日までの不甲斐なさをぶつけているところもあったかもね」
だがそれも石田の投球あってこそ。
四球も１つだけで、きっちり攻めていけていた。
「生粋の横浜ファンで、筒香のユニ着てスタジアムに通っていたみたいだからね」
「そういうファンが選手になって横浜スタジアムで活躍するとか嬉しいよね」
「試合をしながら、ほぼファンって感じにも見えたけれどね」
「それもまた微笑ましいよね」
マウンドで抑えてニコニコしている姿を見ているだけでも、かなり癒された。
そんなルーキーに、久しぶりに打線も応えた。
「初回、相手の和田が整わないうちに牧が先制のグランドスラム！」
「このところ好守で精彩を欠いていたからね、本人も悔しかっただろうし」
「これを機によくなるといいけれど。とはいえ、その後の打席はまだまだだからね」
「それでもきっかけになるとよいね」
そして６回には石田と同じくルーキーの井上が貴重な追加点となるタイムリー２塁打。
「強く振れるのがいいわよね。宮崎が戻るまでは、下位でいいから我慢して起用したいわよね」
「このチャンスを掴んで欲しいね」
更に相手に２点差に迫られた７回に、筒香が突き放す３ラン。
「低めの好きなコースを見事にとらえて３ラン！」
「これは大きなホームランだったね」
「最終的にはこの３ランがあったから勝ったわけだからね」
「ソフトバンクさんは本当に最後まで強いです」
とはいうものの。
この日のブルペンを見て欲しい。
徳山、坂本、佐々木、森原、京山、ウィック、堀岡、ディアス
そして先発は石田裕太郎。
よくもまあこの陣容でどうにかこうにかソフトバンクから逃げ切れたものである。
点は取られたとはいえ、まずはそこを素直に褒めたい。
「近年、ブルペンを支えたリリーフ陣が誰一人いない状況だからね！ かろうじて森原がいるくらいで」
「本当にね。でもここから皆がチャンスを掴んでくれたらね」
「打たれるかもしれないけれど、野手含めた全員でカバーしていくしかないわ」
「苦しいけれど、いくしかありません！」
現状、最も信頼できる坂本をあえて６回、相手のクリーンナップにぶつけて抑えて。
７、８回は点を取られても追いつかれないよう踏んばり逃げ切った。この事実を自信にしてほしい。
「ホーム６連戦は苦しく２勝４敗。ホームで相変わらず弱いけれど、日曜に勝利したから気分よく週を迎えられるわ！」
「なぜかビジターでは勝率いいから交流戦最終週、勝ち越しましょう！」
「全勝する気でいくのよ！」
「おー！」
ルーキーに負けているなよ、みんな。
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