2019年5月29日 中日戦
結果:横浜2-1中日
敢闘選手賞:平良
「ようやく延長で勝ったわ!」
どうにか逃げ切ったところで、結乃がそう言ってガッツポーズを見せた。
「最後は冷や冷やだったねー」
理衣も、心なしか疲れているようだ。
「まーた、サヨナラ負けするかと思ったもんね」
「そういうこと言わないでよー!?」
確かに今季、サヨナラ負けが多いとは思うが。
「この試合はなんといっても久しぶりに一軍先発の平良ね!」
「6回1失点の好投! 球数も少なかったし、もっと投げられそうだったけれど?」
「故障明けを考慮したっていうのと、もしかしたら来週から週頭で投げさせるためじゃないかしら?」
中5日でカード頭の火曜日に投げさせる。
今まで火曜日は全敗なだけに、ありえないことではない。
「そうすると大貫投手は?」
「一週空いて、水曜日かしらね。まあ、濱口をずらす可能性もまだ捨てきれないけれど」
暑いデーゲームには弱いかもしれない濱口を、平日ローテにするわけである。
「いずれにしても、この週末のローテを見れば分かることね。何せ交流戦に入るし、そこで勝てるようなローテにしたいわ!」
魔の交流戦でもあるが、ここで浮上を果たしたい。
「投手陣は全体として1失点で踏ん張ったわね。まあ、終盤は危なっかしかったけれど」
「山崎投手、怖かったねぇ」
勝ったからまだ笑っていられるが、もう少し安心させてくれないものか。
「打線の方は、初回はまだ良かったけれど、あとはやっぱりしょぼかったわね」
「大野投手が良かったってことじゃない?」
「それにしてもねぇ」
うーんと唸る結乃。
平良に勝ちを付けさせられなかったのが残念だが、大野に負けなかったともいえる。
「まーどっちにしろ勝ったし、この勢いで連勝といきたいわね!」
「中日の先発はルーキーの勝野投手! よくわからないけれど、勢いのある球を投げるみたいだね」
「なんといっても横浜はよく初勝利を献上したりするからね。でも、彼は既にプロで1勝しているからね!」
「頑張って連勝して、借金返済!」
気勢をあげる結乃と理衣。
「そして、今度こそヤクルトには勝ってほしい! 何せ次のカードヤクルト戦、やりづらいったらありゃしないから!」
「た、確かに・・・・」
「勝って勢いづいてこられるのも嫌だけど、負け続けてくるのも嫌よね」
「それに相手が広島さんだからね、止めてほしいよね!」
相手のことを考える余裕があるわけではないが、ねえ?