2019年6月14日 ホークス戦
結果:横浜5-4ホークス
敢闘選手賞:ソト
「あ~あ、ヤフオクドームでソフトバンク相手になんか勝てるわけがないんだよ」
ここは新橋、サラリーマンが週末の憩いを求めて飲み屋に足を運ぶ姿がよく見られる。
そんな中で、ベイスターズファンらしきおっさんの嘆きが聞こえてきたのだ。
既に少し酔っているのか、顔が赤い。
「しかも、相手は千賀だよぉ? いくら今永っていってもホークス打線相手じゃあ3点くらは取られるでしょ? それに比べてベイスターズ打線なんて昨年から得点力不足が解消されていないんだから」
おまけにヤフオクドームでは9連敗中だったか。
全くと言っていいほど勝てていないのだ。
「まあ、勝つとしたら、それこそまぐれ当たりのホームランで取った点を守り切る、それくらいしかないだろー」
はぁぁ、と半ばあきらめた表情のおっさんが、義務とばかりに機械的にスマホを操作する。
・・・・・って、その通りに勝っているやんけ!?
新橋の中心で勝ちを叫ぶおっさん。
「・・・・・とまあ、きっとそんな人が沢山、溢れていたと思うわ!」
新橋の夜景を思い浮かべながら、結乃が得意げに言った。
「いない・・・・とは、言いきれないかも」
理衣も苦笑いしながら頷く。
それくらい、期待はしつつもどこかで諦めていたファンも多かったことだろう。
「みたかー! ホークスに先勝よ!!」
結乃が鼻息荒く言う。
「この勝利は大きい!」
理衣も跳ねるようにして喜びを表現する。
「初回を見た時はヤバいと思ったけれどね。ところがなんと先制はベイスターズ! それも、まさかの柴田のHR!」
「今季初HRが、千賀投手からなんてね! これでいけるかも! ってなったよね!」
「それまで完璧に抑えられていたけれど、それで少しずつ千賀が狂ってきたみたいよね」
9番で打率も2割、長打もない柴田。
力を緩めるには丁度良い相手だったが、それが裏目に出たか。
「そうして6回、無死満塁から佐野が凡退して嫌な感じだったけれど、ソトが4試合連続弾!」
「今までチャンスでは凡退、ソロHRばっかりだったから、本人も嬉しいだろうね!」
「まあ、7回の1死満塁で1点も取れなかったのはいつものことだけど・・・・」
そこで1点でも取れていれば、ソフトバンクの流れを止められたかもしれなかったのだが。
「今永も、打たれたヒット4本中3本がホームランって、ちょっとねー」
「でもほら、全部ソロだから、3失点でおさえたということで」
「松田に打たれ過ぎじゃない? 前に横浜で見た時も松田に3ラン打たれていたわよね。あ、あの時も千賀じゃなかった!?」
「確か戸柱選手が逆転タイムリーを打ったんじゃなかったかな」
「勝ったからよかったけれど、同じ選手に打たれ過ぎよ!」
「6回以降は冷や冷やだったね」
「1点ずつ返されて、迫られて・・・・でも、追いつかせなかったわ!」
「康晃投手も安定の4凡!」
「だからって、先頭を歩かせないように!」
当たっていた松田が相手ではあったが、やはり先頭を四球はやめてほしい。
「さあ、これで3タテの道が見えたわ! 2戦目は高橋、伝統的に苦手なアンダースローね!」
「ここを取りたいね! 井納投手の踏ん張りと、やっぱり左打者かな?」
「また、ソトをセカンドの博打打線かしらね。まあ、守り勝つのも難しい相手ではあるけれど・・・・」
いずれにしても、今まで福岡でやられ放題だった借りを返す時だ。
「ぶっ倒すわよ!」
「おー!」
このまま勢いに乗れ!
この際、交流戦は勝てばよいや!