「さあ、いよいよ後半戦が始まるわよ！」
オールスターも終了し、15日からは2019年シーズンの後半が開始する。
結乃が気合を入れ成すような声色で告げた。
「幸先良くダッシュしたいね！」
理衣の声にも力がこもっている。
「後半戦の開幕はカープ戦からよ！」
「相手は１１連敗中、やりづらいよね････」
「関係ないわよ！ オールスターで相手もリセットしてくるでしょうし、どうチーム状態が変わっているかわからないわ」
ガラリと変わっている可能性もあるし、生き返ったら勢いがあるのは５月を見ての通りである。
「巨人を追いかけるためにも、ここで叩いておきたいわね！」
「初戦の先発は井納投手ｖｓ九里投手だね」
「相性は悪くないはずよ？」
「対戦防御率は二人とも４．５０だって」
「うーん、井納が序盤を凌げるか、かしらね。うちの打線も、序盤は大抵拙攻で中盤にとらえるイメージだものね」
相性が良くとも、点差があれば楽に投げられてしまう。
そうならないよう、やはり序盤をいかに井納が凌ぐか、だろうか。
「井納は良い時は良いけど、いきなり崩れたりするからねぇ。悪い時は序盤から悪いけれど」
「なんか、どの投手にも当てはまりそうなことだね」
「しっ、失礼ね！」
結乃に言われて、顔を赤くする結乃。
「なんにせよ、先発が踏ん張って、打線が粘り強く点を取る。ＨＲ待ちの打線じゃ駄目よ！」
「１点を大事に、だね」
「果たしてどんな打線を組んでくるのか、イマイチ不安なのよね････」
眉を顰める結乃であった。
「とにかく、オールスターで投げた大瀬良、床田は来ないでしょうし、うちも今永はないから、どうなるかよね」
「井納投手、上茶谷投手に期待だね、こっちは」
「カープはジョンソンを打てるかどうか、ね。だからこそ初戦は勝っておきたいわね！」
比較的与しやすい九里で勝ちたいのが本音だ。
「さて、後半戦前にニュース！ 育成の中川虎大が支配下登録されたわ！」
「わーっ、おめでとう！ パチパチパチ！」
DeNA 2年目右腕・中川虎大が支配下登録「丸さんと対戦したい」 2軍でトップタイ8勝
「二軍で８勝、防御率２．００、奪三振もリーグトップの７４だから、納得よね！」
「凄い数字だよね」
「飯塚や京山、阪口より期待できそうじゃない！？」
「若い投手みんなで切磋琢磨して成長してほしいね！」
まだ粗削りかもしれないが、非情に魅力的である。
今シーズン中に一軍登板もあるかもしれない。
「さ、まずは貯金作りよ！ そのためにも後半戦開始のホームでの６試合をきっちり勝ちたいわね！」
「そして優勝争いに！」
「そのためには他チームに、巨人に勝ってもらわないと、なんだけどね」
だが、他チームのことはどうも出来ない。
出来ることは、自分たちがしっかりと勝てる試合を勝つことだけ。
「そのためにも、前半戦のような適当な攻撃はやめてほしいわよね！」
本当にその通りであるぞ。
応援クリックしていただけると幸いです。
