「関根、どうした!?」
檄を飛ばす結乃。
「うーん、本当にね、関根選手」
理衣も肩を落としている。
というのも・・・
#63 関根 大気
出場試合 : -
打数 : -
打率 : -
安打数 : -
HR : -
打点 : -
盗塁 : -
「20年シーズンは一軍出場無し!」
「本当にーっ!?」
「もう、そんなことしている場合じゃないのよっ!」
「どうしちゃったのー!」
ルーキー時代から期待され、一軍でも起用されてきた関根。
しかし他の選手の起用が多くなり、出場が少なくなり、成績も落ちていた。
19年は1軍で1安打しか打てなかった。
年々、存在感が薄れていくという状態。
「完全に一軍半の選手になっちゃっているわよ!」
「二軍では成績を出しているのにね」
「それでも上げられなかったのは、何かあったのかしらね」
「ファンは多いのにね」
実際、二軍では打率3割を放っている。
二軍では問題ないが、一軍で活躍できない、そういう選手に今のところなってしまっている。
「入団した時は本当に期待していたのに! 一軍出場なしじゃあ、5点ね!」
「厳しいけれど仕方ないかー」
「甘んじていられちゃ困るのよ」
「なんとか這い上がって欲しい!」
21年はラストチャンス、かもしれない。
それでも監督が三浦に変わり、一年間、二軍で見てきてくれていた。
キャンプでも一軍スタートし、期待しているところも見せているし、起用もされている。
このチャンスを掴めるかどうか。
「外野手は同じだけど、梶谷が抜けて、外国人選手が来日できなくて、絶好の機会だからね!」
「三浦監督も目をかけてくれているしね」
「トレードか戦力外か、なんて噂もシーズン終了近くなると出ていたけど、そういう言葉を跳ね返して欲しいわね」
「それだけのものを持っているはず!」
関根きゅん、と言われている場合じゃない(これは本人のせいではない)
「ファン対応も良いし、ストイックにやっているんだけどね」
「是非、一軍で活躍を!」
「這い上がってきなさいよ、関根!」
この一年が、本当に勝負だ。