「なんとか引き分けに持ち込んだ感じね」
結乃が腕組みをして言う。
「最後まで粘ったのは良かったね」
理衣がうなずいて言う。
２０２４年オープン戦初戦。
３点のビハインドから１点ずつ返し、９回に追いついて引き分けた。
「打線ではなんといっても松尾がホームラン！」
「これはもう本物！？」
「まだ練習試合とオープン戦だけだけど、偶然とかでここまで打たないでしょ」
「いやもう、１軍でみたいね！」
とはいえ捕手は守備が重要。
１軍で守備機会が減るくらいなら、２軍でどんどん捕手として試合に出して欲しい気持ちもあるわけで。
打てる捕手、というのが強みなのだからコンバートなどせずにそのまま。
「そして勝又が２安打、９回には同点となるタイムリー２ベース！」
「アピールが続いています！」
「積極的な走塁もして、あとは経験よね」
「これまた１軍でみたいね！」
また西巻は代走で出て盗塁も決めてと、きっちり仕事をこなしている。
「オープン戦終盤はシーズン開幕を見越しての調整も多くなるから、若手は今アピールしないとね」
「どんどんいきましょう！」
「そして投手陣では大貫がきっちり２回無失点」
「今年はやってもらわないとね」
２０２３年は出遅れ、更に結果もイマイチだった。
２０２４年は東とともに左右の両輪でやってもらわないと困る。
「さらに中川颯が４イニング無失点！」
「こちらも開幕ローテを狙えるね」
「アンダースローの変則ってのが希少であるけれど、コントロールとかそういうのも良いからね」
「色々と新戦力が楽しみです」
一方でウィックは３失点。
「外国人投手も競争だからね」
「ケイ投手も失点していたしね」
「ジャクソンも、この試合は無失点とはいえピンチを迎えたし」
「日本野球にアジャストしている最中だろうし、この辺はまだこれからだね」
勝利とはならなかったが、敗色の可能性が高いところを引き分けにまで持ち込んだのは評価したい。
中堅の野手陣も頑張って欲しいけれど、さてさて？
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