「さて、一日あいたわけだけど」
結乃が落ち着いた口調で言う。
「連敗中だったし、ちょうど良い休みと思いたいね」
理衣が自分を納得させるように言う。
開幕から良いスタートを切ったが、巨人戦の３戦目から崩れてきて３連敗中。
「まー、まだ開幕直後だから色々と試しながらやっているんでしょうけれどね」
「そういうことが出来るのは今の内ってのもあるだろうからね」
「それはそうかもしれないけれど、それでも言いたいことがある！」
「それは何？」
「野手はもう、腹を決めて起用して欲しいわ！」
「おおー！？」
投手に関しては色々と試して良いと思うが。
野手は割り切って若手をある程度固定して戦った欲しい気持ちである。
「とりあえず外野は度会と梶原、内野は石上、捕手は山本、これでいきましょうよ！」
「開幕はそれでいったよね」
「でも、相手との相性か何かとかでまだ１０試合程度なのにコロコロ変えているじゃない。勝った次の試合とかでも」
「まあ、ね」
「他の野手の試合勘とか言うかもしれないけれど、そういうのは守備固めや負け試合とか、まあレギュラー陣の球の休みの時とかね」
「うーん、どうするのが一番良いんだろうね」
せっかく若手に切り替えてきているのだ。
若手を起用し、序盤の好調の時のように、守備固めで内野は柴田や京田、外野は桑原、関根を起用する。
それでは駄目ですかね？
「まー、ベンチとしては勝ちを求めていかないといけないってのは分かるけれど、ここ３戦勝てていないからね」
「ま、まあね・・・」
「どうせ勝てないなら若手の方が納得できるわ。一軍の試合での経験が積めるんだし」
「何を重視するか、だね」
「若手が躍動するとワクワクするじゃない！ そして名前をあげた度会、石上、梶原、やパワーとスピードがあってそれこそ楽しみじゃない！」
「そうだよね、それは確かに間違いない！」
「ベンチに塩漬けにしても仕方ない。チャンスは掴むものともいうが、オープン戦とかで結果出して掴んだのだから腹くくって使い続けて欲しいのよ！」
「辛抱も必要、と」
さて、連敗中の今。
果たしてどのような起用してくるでしょうね？
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