「この7月になって最後の補強の話が一気に出てきたわね」
結乃が腕組みをして言う。
「まだ諦める時じゃないもんね」
理衣も頷く。
フォード。
ビシエド。
さらに、藤浪。
まさか藤浪にまで手を伸ばすとは思わなかったので驚きである。
「まあ、この時期になると補強できる選手も限られるし、その中で選んで、当たれば儲けものってのもあるでしょうしね」
「他のところで戦力としてみなされていない、ってことでもあるもんね」
「その中で、とりあえず確定したフォードが来た時の布陣を考えてみるわ」
「好きだね、そういうの」
現状をみてみると。
1.桑原(センター)
2.林(ショート)
3.度会(ライト)
4.牧(セカンド)
5.佐野(レフト)
6.フォード(ファースト)
7.宮崎(サード)
8.山本(キャッチャー)
「こうよ!」
「随分と変えてきたねぇ」
「まあ、期待を込めてね。やっぱり1-3番にはある程度足のある選手を置いて、クリーンナップで返す、ってのがね」
佐野、宮崎、フォードというところが前にいると、足がないから各駅停車になってしまう。
もちろん、打てる選手を前から並べていく方が得点可能性が高いので、林、度会が打てる、出塁できることが前提になるわけだが。
「まあ、佐野を3番にしてフォード、宮崎を前にあげるのもアリだけどね」
「林選手が今の状態をキープできるなら、上位に置いておくのは確かにアリだよね」
1.桑原(センター)
2.林(ショート)
3.佐野(レフト)
4.牧(セカンド)
5.フォード(ファースト)
6.宮崎(サード)
7.度会(ライト)
8.山本(キャッチャー)
「度会は7番で気楽に打たせるって感じね」
「そうすると、関根選手、蛯名選手、梶原選手なんかも下位で打たせられるね」
「山本や松尾は守備面もあるし、ここも負荷軽減で。もちろん、打てるようなら打順を上げてもよいけれど」
「こうやってみると、確かに良い感じに見えるけれどね」
まあ、妄想の中では幾らでも打って点を取ってくれるんですけどね。
「ビシエドが本当に来たら、フォードと相手の投手に寄って使い分けるのもありだし、代打で出て守備固めでファーストに入るのもアリね」
「守備も上手だしね」
「狭い横浜なら、ビシエドの打撃もまだハマるかもしれないし。ちょっと今の状態がどうなのか分からないけれど」
「まあ、期待しすぎずに、だね」
中日が契約せず、NPBの他の球団も契約しなかったわけで、もう難しいと判断されているわけだが。
後は実際にどうか、ですね。