「5連敗でチームは酷い状況よ!」
結乃がなぜか偉そうに言い放つ。
「どうにかしないとねぇ」
困ったように理衣は言う。
名古屋、広島とビジターで5連敗を喫した。
打線はランナーを進められず、タイムリーは出ず、ソロホームランばかり。大砲をそろえていようがどうしようもないのは昨年から変わらず。
頑張っていた先発陣だが、濱口が打球を受けて抹消、今永の好投でも勝てず、中5日にした井納は炎上、オープナー起用の国吉も初回炎上と、まるで良いことのなかった一週間。
しかもその間にカープを復活させる、他チームからしたら余計なことをしたとしかいえないこともしでかした。
「こんな状態で、もうすぐGWの10連戦よ! そもそも先発はどうするのかしらね!」
それは、10連戦前にもう一度見直そう。
「とにかく、野手はもうちょっと考えて野球をしなさい! って、考えていても、実行できる技術がないとどうしようもないんだけどね!」
鼻で笑う結乃。
「応援するチームだよ!?」
「応援はするけれど、甘やかしはしないんだから。プロなのよ、彼らは!」
「次は、やっぱり3タテくらっちゃったタイガースさんが相手だね」
「巨人相手には6タテだけどね。でも、今のタイガースに勝てなかったら、勝てるチームが無いわよ! 特に裏ローテだしね」
メッセンジャーも西も投げてこないのだ。
「なんとか勝ち越したいね」
「むしろ、3連勝したいわね!」
「高望みしすぎじゃあ・・・」
「下を向いていても仕方ないわ。濱口が10日で戻ってくると信じて、あとは・・・・連戦でバリオスをあげるかしらね? 飯塚は駄目だったみたいだし」
「やっぱり先発が厳しいね」
「こういうときこそ打線が頑張らないとだけど、クソだからね」
「ま、また、そういうことを」
「だったら、言わせないような結果を見せてみなさい!」
やられっぱなしではいられない。
次のカープ戦ではやり返そう。
そしてその前に、目の前の戦いに全力を。
「こんなチームだって分かっていて応援しているんだから、畜生め!」
「素直に応援しようよ、結乃ってば!」