「２戦連発で梶原が注目され始めたわね」
結乃が鷹揚に頷きながら言う。
「正式に一軍扱いでオープン戦帯同にもなったしね！」
理衣も喜んで言う。
桑原、大田が怪我で離脱したというのもあるが、本人がアピールをしているというのもある。
またそのアピールが、上の二人がいないときにちゃんとできた、というのもある。
「昨年も一時期良いところをみせていたんだけど、その矢先に怪我で離脱しちゃったのよね」
「あのときはもっていないなぁ、って感じだったけれどね」
「今季は、逆にうまくつかめるか！？ というところよね」
「そういうチャンスをつかめる選手が、一軍定着、そしてレギュラーになっていくんだよね」
狙うはセンター。
桑原が欠け、関根も決してレギュラーではない。
守備は梶原もまだまだ不安定で怖いところではあるが、足が速く、パンチ力があるのであればかなり強い。
三振が減って、粘りも出てきたのも大きい。
フリーバッティングやロングティーも豪快で、見ていて楽しくワクワクさせてくれるものもある。
「関根はとにかくパワーがないからね。そしてこの前走塁でポカを見せたように、ときどきあるのよねー」
「意表をついたセーフティとか、良いところも色々見せてくれるんだけどね」
「ただやっぱり、逆方向にあれだけ飛ばせるのは、ロマン感じちゃうのよね」
「まあ、確かにね」
そして年齢的に２５歳になるシーズンと、まだまだ若い。
梶谷とかも、この年齢くらいから出てきたのではなかったか。
「とにかく今年、今は本当にチャンスだから、ここを掴んで結果を出す出さないは大きいわよ！」
「もちろん、他の選手にも頑張って欲しいんだけどね」
外野だと他に勝又も頑張っているがセンター守備を考えるとちょっと怖いし、梶原の長打が出ているのは大きい。
東妻はセンタータイプではないし、楠本も守備は怖く、蛯名は打撃の結果も出ていない。
「あとは首脳陣がどう考えるかね。三浦が関根好きだからなー」
「いや、そういうこと言うのよそうよ・・・」
「関根が悪いわけじゃないけれど、OPSも.700こえないだろうし、そうなると若さと可能性で梶原に賭けたくなるわよね」
「とにかく、オープン戦の後半でまた皆どうなるか、だね！」
いずれにしても新しい力が出てこないと、上に行くのも厳しいぞ！
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