「GWもお家よ!」
元気よく結乃が言う。
「天気が良いけれど、家だね」
理衣もにこやかに言う。
「致し方ない! ワイヤレスイヤホンを購入したわ!」
「脈絡がないけれど、こういう時だからこそ何か楽しみをね」
「おー、線なしで音が聞こえるわ!」
「当たり前だね」
今のところ、使いどころは特にないが。
「さあ、愛すべき一発屋!」
「そんなシリーズだった?」
「今日は、石橋貢よ!」
「また、ファンにはある意味有名なマイナーどころを・・・・」
■横浜大洋ホエールズ (1980 - 1990)
■通算 365打数 85安打 打率.233
「なんといっても石橋は強烈に記憶に残っているわよね!」
「まあ、そうだよね」
「石橋のプロ生活は12年、通算HRは6本!」
「打ってないね」
「しかーし! 1988年5月28日の阪神戦で、一試合3本塁打!」
「おお!」
「しかも、三打席連発!」
「凄い!」
「この試合、何が起きたのかと目を疑ったわね。何せそれまでのプロ生活で2HRの男が、3打席連発だもん」
「誰も打つと思っていなかったよね」
この日の3打席連発、ただそれだけで強烈な印象をファンに植え付けた石橋。
正直、他のことは全く覚えていないが、それだけは覚えている。
「だから他に特にネタはないんだけど・・・」
「でも、全く覚えられていないよりはいいよね、きっと」
「そうね、一瞬でも強烈な光を放ったわけだし」
「活躍出来て良かったね!」
「まあ、この試合は負けたんだけどね!」
「ええーっ!?」
それもまた、らしいっちゃあ、らしいのであった。