「いよいよ初の対外試合ね!」
冷静と興奮の間で結乃が言う。
「どんな戦いをするか楽しみです!」
理衣も拳を握りしめている。
結果は6-4で勝利。
まだこの時期とはいえ、勝つと嬉しいものではある。
「内容的にも、足を積極的に使って点を取っていたわね」
「安打、四球、盗塁、進塁打、犠牲フライ、とかね」
「もちろんまだ初戦ということはあるけれど、少しでも結果が出ているのは良いわね」
「少しずつ変わっていっているのかな?」
2021年も足を使おうと試みていたけれど、ことごとく失敗していた。
練習で出来ないことが本番で出来るはずもない。
シーズンでは、今まで通りの打つだけの野球になっていた。
「失敗もあったけれど、成功もあったというのが大きな違いよ」
「コーチの指導が活きてきているのかな」
「当然、それはあるでしょうね」
「大きいのだけでなく、スモールベースボールでも点が取れると、チームとしての幅が広がるもんね」
投手では石田が好投。
野手では桑原、神里、大田といったところも結果を出している。
「相手が若手主体だってのはあっても、結果はよしとしないとね」
「勝つことが自身につながります!」
その一方で、今永が体の張りを訴えて嫌な雰囲気も。
「無理はしないで欲しいけれど、開幕は厳しいかもね」
「佐野選手も肉離れで二軍調整になっちゃったしね」
「いきなり投打の主力がいなくなっちゃったけれど、それでも他の選手はチャンスと思わないと!」
「大田選手や神里選手はチャンスだし、投手陣も先発ローテを狙うチャンス!」
そう思わないとね。