2019年振り返り #65 ついに覚醒?いやまだまだこんなもんじゃないぞ 国吉佑樹
「苦節10年、ついに国吉がー!!」
太陽に向かって結乃が叫んだ。
「ファンはずっと見守ってきたもんねぇ」
理衣も感慨深げに頷いている。
そう、とうとう国吉が頑張ってくれたのだ。
どれくら頑張ったかといえば。
#65 国吉 佑樹
当番試合 : 53
投球回数 : 69 1/3
防御率 :4.80
勝利 : 5
敗北 : 3
セーブ : 0
ホールド : 9
奪三振 : 81
「中継ぎとして一年間、戦力として1軍にいたわねー」
「良かったよねー」
「ホント、トレードとか人的補強で、なんて噂もあったけれど、ちゃんと残した球団は偉い」
「ロマンの塊だったもんね」
何度も言っているが、育成枠で入団した国吉はロマンだった。
そして、暗黒時代に夢を見せてくれた選手だった。
同期の筒香が花開く中、国吉は駄目なのか。
同じドラ1でも、やはり育成1位じゃ駄目なのか。
そう、思われ続けて10年。
「とはいえ、こんなもんじゃまだまだ物足りないわよ!」
「活躍したのに?」
「活躍っていっても、今までに比べたらだし。防御率だって悪いし」
「中継ぎだと、一度打ち込まれちゃうとねー」
「だとしても! 3点台にはしなさい!」
実際、打たれていたイメージもそれなりにある。
「やっぱりメンタルかしら? それともセットポジション? ランナー出すと一気に、ってイメージはいまだ拭えないわね」
「確かに、ランナーいないとき三者三振とか凄い時もあったしね」
「こら打てん! って見ていて思ったかと思うと、ランナー背負うとあっさり打たれたり」
「制球力が物凄く良いってわけじゃないのもあるんだろうね」
「大分、よくなったけどねー」
「それでも、たくさん助けられたよね」
「先発で花開いてほしかったけれど、チームの戦力となって輝けるのが重要よね」
「ロングリリーフも出来るし、大切だよ!」
「さらなる安定感で勝ちパターンに入れると良いんだけどね」
2019年で自信をつけただろう。
気持ちというのは大きい。
のびのびと思い切り投げたら、そうそう打たれないボールを投げているのは間違いないのだから。
「2020年には背番号を名前にちなんで92に変更! これが吉と出るか凶と出るか」
「背番号で何が、ってことはないと思うけれど、これも気持ちの問題かな?」」
「そういうのもあるでしょうね。カメハメ波投法、背番号変更と、国吉も変えていっているってことよ」
「そうだねー。あれ、肝心の点数は?」
「そうねー、75点くらいで」
期待は大きい。
もっと、もっと、圧倒的な存在になってほしい。
ベイスターズファンは、まだまだ夢を見ているぞ。