2023年振り返り #67 支配下登録されたが、まだまだここからが勝負 西巻賢二
「西巻ね」
無表情で言う結乃。
「うーん、一軍の評価は難しいね」
理衣は困ったように首をひねる。
一応、成績をのせておく。
#67 西巻 賢二
出場試合 : 7
打数 : 3
打率 :.000
出塁率 :.000
安打数 : 0
HR : 0
打点 : 0
得点 : 1
盗塁 : 0
OPS :.000
「一軍の成績は評価のしようもないわね!」
「上の数字だしねぇ」
「とはいえ、支配下登録されたことは喜ばないとね」
「まずはそうだよね!」
22年のオフに戦力外から育成で獲得し、ある意味で順調に支配下まではいった。
しかし、ここからが本当の勝負であり、厳しいところでもある。
「年齢的には24歳とまだこれからではあるけれど、立場的には余裕があるわけじゃないからね」
「何かしら、一軍に呼ばれるものを見せたいよね」
「足があって複数ポジションまもれるから、まずは内野のユーティリティを目指すところよね」
「立場的には知野選手とかぶるね」
レギュラーをとれれば最高だが、そう簡単なものではない。
となれば、内野が欠けた時にあがれるような状態になっていたい。
「足はあるわけだから、やっぱり打撃よね。そこで好成績を残せば道は開けるはず」
「そして守備の安定感だね」
「ユーティリティはいれば便利だけど、同じような選手が何人も一軍にいられないからね」
「内野は難しいよねぇ」
そういう選手が多くなってきてしまっている。
特に正遊撃手が出来ないから色々と内野手を獲得しては、同じような結果になっているところもある。
一人でもがっちりショートに嵌れば、ユーティリティも限られてくるのだが。
「まあ、逆に言えばチャンスもあるってことだから」
「そのチャンスを逃さないように!」