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【ベイスターズ小説】青き星たちの反撃 18.<過去>変化の予兆

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 変化は確実にあった。

 キャンプからオープン戦にかけては連日のようにスポーツ新聞にDeNA、というより中畑新監督の記事が載って一面を飾った。

 まさに中畑効果。巡も、春季キャンプでこんなにもチームの情報(?)が取り上げられるのを始めて見た。

 とはいえ、 新生ベイスターズ、DeNAの船出は甘いものではなかった。

 オープン戦では投手陣が好投を見せ、打撃陣は足を使った攻撃で得点を挙げ、僅差でリードを保って勝つというベイスターズらしくない試合を幾つも作り、3位という成績でペナントレース本番へと突入した。

 序盤、先発投手陣は頑張っていた。失点を抑え、5イニング以上を投げてくれていた。

 だが点を取られない以上に、点を取ることが出来なかった。

 ある意味それも仕方ない事で、DeNAになったところで戦力が大幅に強化されたわけではなく、むしろ内川、村田が抜けたことで攻撃力は大きく下がっている。代わりに入っているのがラミレス、中村紀洋と、実績こそ申し分は無いが選手としては既に晩年の域に差し掛かっているベテランである。

 中畑監督が抜擢し、オープン戦であれだけ走って足を見せた梶谷は、オープン戦で研究され尽くしたのか盗塁は刺されるし、そもそも出塁すること自体が出来ない。

 そもそも開幕戦オーダーが

 

 梶谷

 石川

 小池

 中村

 金城

 森本

 荒波

 黒羽根

 高崎

 

 である。

 梶谷は数年後には主力に育っているが、この時点ではオープン戦で活躍しただけの、何の実績もない若造である。

 それ以外は推して知るべし、出場した選手達に非は無いが、本気で勝とうとしているのかと疑いたくなるようなオーダーである。

 4試合目からラミレスが4番に座ったとはいえ、大幅に改善されるわけもなく、非力な攻撃陣は極端に得点能力が低く、開幕直後のカープ戦では前田投手にノーヒットノーランを食らった。

 結局はこんなもんなのかと思う自分がいる一方で、それでもチームの試合を追いかける自分がいる。

 それはひとえに、メディアの力が大きかった。メディアで取り上げられる機会が多い、即ちこれも中畑効果であろうか。

 いや、実際にシーズンに入ればチームの成績がメディアへの露出度の直結するはずなのだが、キャンプやオープン戦の印象か、はたまたキャラクターによるものか、例年よりも話題が多く感じるのだ。

 その話題の一つは、ベテランの復活だった。

 

 

 新生・横浜DeNAベイスターズを引っ張っていたのは中畑監督が見出した若手ではなく、這い上がってきたベテランであった。

 そう、我らがエース、三浦大輔。

 本人が否定しても、ファンにとってはベイスターズというチームの魂のエースである。

 肝機能障害をおっても、仲間達が皆チームを去っても、二段モーションを封じられても、登板時に味方が点を取ってくれなくても、下を向くことなく戦い続けてきてくれた。呆れるほど弱いチームを本気で強くしたいと、このチームで強い相手を倒して優勝したいと言ってくれた。

 一時期、「三浦はもう終わった」と言われていた頃もあった。だけど、それも乗り越えて今またDeNAベイスターズを引っ張ってくれている。

 DeNAというチームの記念すべき初勝利は、三浦の手によって届けられた。

 そしてシーズン半ばに達成した150勝。強い時期もあったとはいえ、10年ほどはずっと低迷し暗黒時代を戦い抜いてきた中での150勝。何よりも横浜スタジアムで達成したその日のヒーローインタビューで、「横浜に残って良かったです!」の一言。

 ああ、自分たちは横浜というチームを応援してきて良かったと、本当に心の底から思えた言葉だった。

 苦戦が続くことに変わりはない。

 チーム成績が急激に向上するわけでもない。

 それでも。

 チームの、選手の、ファンの空気は変わってきている。

 そう、感じられた。

 

その19につづく

 

■バックナンバー
1.歴史と共に、今
2.なぜ、このチームを
3.大洋ホエールズのエース
4.歓喜の瞬間、そして
5.<過去>暗黒の始まり
6.<過去>悔しさの強さ
7.<CS1st>がっぷり四つ
8.<過去>消えゆく優勝戦士達
9.<過去>2003年、5月
10.<過去>底の底
11.<CS1st>巨人にだって負けていない
12.<過去>束の間の光
13.<CS1st>見たことのない未来に向かって
14.<過去>光ささぬ闇
15.<過去>心の弱さ
16.<過去>横浜魂を抱いて
17.<CS1st>死闘の幕開け

 

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